『カメラが欲しい病』に、またかかってしまった。

この病はかの赤瀬川原平先生らによって語り尽くされているが、ある日突然カメラ(もしくはレンズ)が欲しくて欲しくてどうにもならなくなるという、やっかいな病気なのだ。

私の場合はさんざん悩んだ果てに“脳内母さん”が出てきて「くだらないことに悩む暇があったら勉強しなさい」と言われて病状がやや治まることが多い。

先日ふと神田の中古カメラ店に入ったところ、CONTAX G2という、レンジファインダーなのにオートフォーカスという異端的カメラに一目惚れしてしまい、このところずっとそのカメラのことばかり考えているのだ。レンズとストロボが付いて45000円。定価は20万以上するはずだから、お買い得といえばお買い得である。が、デジタル全盛のいま、フィルムにしか使えないそのカメラ及びレンズが果たして必要なのか。すでにレンジファインダーカメラを何台も所有しているのに、さらに無駄なものが増えるだけだ。しかも、レンズの互換性はない。なので、こんなものはいらない。と思うものの、このカメラのために用意されたカールツアイスブランドのレンズ群の色彩の豊かさや解像力は見事としかいえない。それらのレンズがこの値段で使えるというのは、もうそれだけで超お得とも言える。と、結論が出ないまま今日も日が暮れた。まだ脳内母さんは出てこない。