新聞広告 新潮文庫(1)

新潮社
AD+D+I:齋藤浩

毎日広告デザイン賞奨励賞受賞作品。コピーはもちろん望月和人(東急エージェンシー)。

前年に朝日広告賞に入選したおかげで2人とも終始テンションが高かった。

我々の場合、打合せというよりは世間話からアイデアが生まれる。このときもそうだった。

M「最近気になる言葉ってなんですか」

S「コミュニケーションという言葉かな。この言葉は使われすぎていて、本来の意味が相手に伝わっていない。だいたい話したいときにすぐに相手の声が聞けることがコミュニケーションだ、みたいな携帯電話会社の短絡的な表現は、一体なんなんだ?」

M「そうですねえ。表層的なところで止まってしまっていますねえ。では、齋藤さんの思うところのコミュニケーションをビジュアルにするとどうなるんですか?」

みたいなやりとりがあった。望月氏のスゴいところは、私が悶々と漠然となんとなく思っていることを順序よく引き出し、整理してまとめてくれるのだ。

ちょうどどの頃、細野晴臣氏の自伝的な本を読んでいた。
世界コミュニケーション年のテーマ曲『以心電信』について語られおり、その中で
「ひとのために自分を犠牲にするよりも、まず自分を助けなさい。すると、その行為が巡り巡って誰かのためになるのだ」
的な言葉をみつけた。
ネイティブアメリカンの言葉だそうだ。これこそまさにコミュニケーションの本質じゃないか!
ここでクライアントと商品が決まった。自分ために努力する。そのためのツールとして新潮文庫を位置づけてみよう。構造が決まれば表現は勢いに乗る。

ちょうどどの頃、細野晴臣氏の自伝的な本を読んでいた。

YMOの『以心電信』の作詞について語られおり、その中で

「ひとのために自分を犠牲にするよりも、まず自分を助けなさい。すると、その行為が巡り巡って誰かのためになるのだ」

的な言葉をみつけた。

ネイティブアメリカンの言葉だそうだ。これこそまさにコミュニケーションの本質じゃないか!ホソノさんすげえ!

ここでクライアントと商品が決まった。自分のために努力する。自分のために自分を知る。そのためのツールとして新潮文庫を位置づけてみよう。

構造が決まれば表現は勢いに乗る。つづく。